ショウキチシリーズ
私の連れに、ショウキチ(仮名、当時16〜18歳)というのがいます。
高校時代からの連れですから、もう20年来の付合いになります。そのころから、誠に面白い奴でした。
高校生の頃、彼は水泳部に入っていました。
面白いものを見過ごす事の出来ない私は、当然同じクラブに入っていました。
そもそも、私が通っていた高校には水泳部が無く、私が1年生の夏に、中学でも水泳をしていたショウキチが、先輩たちと一緒に創部したのでした。ですから、私は後追い入部という形になります。
しばらくしたある日、毎日学校で顔を合わせているショウキチから、夜、わざわざ電話があり、唐突に、こう言いました。
「おまえ、○○荘に住んでたんか!」
○○荘というのは、私の父が勤めていた会社の社宅の事です。
「そうや」
こいつ、いきなり何を言ってるんだろうと思いながら、私は答えました。するとショウキチが、
「俺もや!」
私の父と、ショウキチの父親とが、同じ会社に勤めていて、ほんの幼児の頃(1・2歳)の私とショウキチが一緒に遊んでいたこともあったという事が、お互いの両親の話から判明したのです。
私はその時、「運命」というものを感じずにはいられませんでした。彼は、いろいろなエピソードを持っています。そのエピソードのひとつひとつを、これから折に触れて紹介していきましょう。
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